P24-25 市民編集員がお伝えします Citizens'Eye 女性のチカラを地域に生かす 女性消防隊に注目! 今年4月1日から、袋井市消防団に女性消防隊が組織され、 4人の女性消防団員が誕生しました。 防災面での市民と行政のパートナーシップ、新しい広がりを期待したいですね。 消防団は地域の財産  消防団は、市町村が消防組織法に基づいて設置するもので、消防署と連携して消火活動にあたるほか、防火・防災の啓発、災害時の救助活動などを行っています。県内の消防団員数は21,034人(平成24年度・速報値)で、そのうち女性団員は319人。消防団員の総数は減少していますが、女性消防団員の数は増加しています。  袋井市には、16の分団に629人(本部含む)の消防団員がいます。防災の知識がある人が地域にいるということは、いざというとき動ける人がいるということで、地域の財産ともいえます。  その中で女性消防団員は、火災発生時の出動はしませんが、男性にはない視点や感性を取り入れた活動が期待されています。 女性消防隊始動!  市の女性消防隊の活動の一つとして、幼稚園などへの防火防災訪問があります。6月から7月にかけて、市内幼稚園・保育園では、夏休みを前に安全な花火の遊び方を学ぶ花火教室が行われました。女性消防隊はそこに参加し、活動を開始しました。  6月26日、ルンビニ第2保育園で行われた花火教室には、浅羽分署の署員3人と消防団主任1人に、女性消防隊の金原麻利さんが同行しました。  教室では、消防署員が花火の正しい遊び方について説明・実演。その後、園児みんなで実際に花火の体験をしました。  金原さんに手を添えられて花火に火をつける園児の表情は、真剣そのもの。花火を終えて水の入ったバケツに入れると、笑顔で自分の組の場所へ戻っていきました。  体験後、園児は消防車を見学。金原さんが園児を抱き上げるしぐさはごく自然です。  乗松園長は、「年少に満たない0〜2歳児は、制服を着た男性職員に対して、人見知りして泣いてしまう子もいます。女性団員だとそれはないかもしれませんね」と話していました。  活動中、園長先生に連れられた園児が「消防士さんはみんな男の人ばかりなのに、どうして女の人が消防士さんをやっているの?」と金原さんに質問するひとコマも。金原さんは「みんなの命を守るためだよ」と笑顔で答えていました。 モットーは「無理せず楽しく」 女性消防隊への期待  防災課で消防団事務をしている八木です。市では今年4月に女性消防団員4人が誕生しました。女性消防隊のモットーは「無理せず楽しく」。自分のできることを、無理なく続けてもらえたらと思います。また災害時には、知識や経験のある人が冷静に対応できるものです。 今後は、活動の一環として応急救護の研修を取り入れ、各地域へ防災の知識を広めていきたいです。女性消防隊の皆さんには、一人暮らしの高齢者宅を訪れたり、小さい子どもと接したりするときに、女性ならではの優しさを生かしてほしい。まずは自分の家族や身近な人を守る、そういうきっかけで始めてもらえたらと思います。 女性消防隊の目指す道  女性消防隊始動から、およそ3カ月。仕事や家事、育児を両立させながら活動をする4人に、お話を聞きました。 ★現在の気持ちと今後の目標は? 深見広美(以下「深見」):2人の息子たちと同じ消防団員として活動ができることは、大変貴重な体験です。今後は、消防団の顔として広く活動をPRし、女性消防隊に入りやすい環境にしていきたいです。 金原麻利(以下「金原」):入団当初は自分にできることがあるのか不安でしたが、講演会や救命講習に参加し、少しずつ自分にもできることがあると思えるようになりました。もっと女性団員が増えたら、花火教室などに「寸劇」を取り入れて、わかりやすく伝えていきたいです。 関根好江:入団のきっかけは、人の役に立ちたいという思いから。実際に入団してみて同じ気持ちの方たちと出会えました。花火教室での経験を生かし、今後は防火教室などで、火災予防の活動に参加していきたいと思います。 岡本礼香:初めて花火教室の活動をしたとき、園児たちが駆け寄ってきてくれてうれしかったです。  制服を着ていると周りから信頼を得られると思うので、防火活動を始め、いざというときに地域の人を安心させ、先頭に立って支援活動に取り組んでいきたいです。 ★災害時に生かす女性の視点とは? 金原:東日本大震災のとき、現場の救助員が生理用品の扱い方がわからず、被災者が困ったという話を聞きました。それ以外にも着替えの場所やトイレの問題など、災害時における女性側の視点は欠かせないと思います。 深見:男女共同参画セミナーに参加した時、災害時の女性被災者に対する支援のあり方を聞きました。災害時の避難場所の設置や運営方法を女性の視点から計画していくことが大切だと思います。 女性消防隊の主な活動内容 項目 内容 高齢者世帯への防火防災訪問 高齢者単身世帯へ訪問し、火災報知機の設置や家具の固定などの確認、防火・防災対策の呼び掛け 幼稚園などでの花火教室 幼稚園・保育園での安全な花火の扱い方の説明、補助 大規模災害 (地震など) 後方支援活動として、応急救護活動、避難所の運営支援、炊き出し、避難者の話し相手など  応急救護普及 応急手当普及員資格の取得など 女性消防団員募集中! 女性消防隊の活動は決して危険なものではありません。女性の視点を生かして社会に貢献できますよ。 ◇応募資格や処遇など、詳しくはお問い合わせください。 問 防災課 消防団担当 TEL44−6092 消防団のアポロキャップ 女性消防隊の帽子、 FUKUROI VOLUNTEER FIRE CORPS の文字は、「袋井市消防団」を表します。 ちょこっと民話 〜西地区編〜(「袋井に伝わる昔話」より)  戦国時代の元亀3年、武田信玄は3万5千の兵を率いて木原・西島に陣をはり、浜松城を守る徳川家康の偵察隊と衝突しました。この戦いが世にいう木原なわての戦いです。  天正6年8月10日の夜、高天神城から徳川軍の様子を探りにきた武田の家臣、笹田源吾は、この地で村人たちに討ち取られてしまいました。  笹田源吾を供養するために、「木原大念仏」は始まったと伝えられています。 ☆ミニクイズ  袋井市消防団員の演奏する楽器はどれでしょう? @ピアノ Aマラカス B信号ラッパ 答えは24ページ ミニクイズの答え 正解はB信号ラッパ 市民編集員のひとこと 市役所1階フロアの柱に、AEDが設置されていますよ。 小関裕子、谷口史恵