P24-25 自主運行バスの魅力 市民の足、 自主運行バスに体験乗車。  袋井市の自主運行バスは、民間バス路線が運行していない地域の解消と、高齢者や障害者などの移動手段の確保を目的に、運行を開始しました。年間利用客数は約2万人(平成22年度実績)。平成23年7月に運行時刻、路線が改正になり、現在はメローバス(湊方面、中新田方面)と、フーちゃん号(三川方面、宇刈方面)とで、市内4方面を運行しています。  運賃は1乗車100円(運賃後払い)で、誰でも利用することができます。 ●市民の味方  車を運転しない人にとっては、公共交通機関は大切な移動手段です。民間バス路線が近くを通っていない場合、自主運行バスがあれば、大変役立ちます。  また、自主運行バスの袋井駅発車時刻は4方面すべて同じ。4台のバスが同時刻にそろい、乗り継ぎに便利です。 「ひとり暮らしの方もいらっしゃいます。顔見知りになって、私にもいろいろ話してくれますよ」と、バスの運転手さん。温かなつながりも生まれます。 ●フリー降車区間  フリー降車区間では、停留所以外でも降車することができます(乗車はできません)。その場合は、運転手さんに早めに声を掛けてほしいそうです。 ●メローバスに乗ってみました  4月5日、袋井駅から浅羽支所まで「メローバス」に乗ってみました。  袋井駅からの乗客は4人。バスの運転手さんに声を掛けて、時刻表をもらっていく人もいます。時刻表は車内のほか、市役所、支所、市民病院などの公共施設で配布しています。  中新田の自宅へ帰るという女性は、「週1回くらい利用して、駅周辺で買い物や食事などをします。乗客は年配の方が多いですが、時には、小学生が1クラス、学校行事で乗車することもありますよ」  また、別の方は、「支所に用事があり、フーちゃん号から駅でメローバスに乗り継ぎました。運賃が安いのはありがたいですが、バスの本数がもっと増えるといいですね」 ●あったらいいな、こんなバス  駅でお会いした市民の方からは、「風見の丘やメロープラザなど、施設への直通ルートがあれば」という声もありました。  もっと便利で魅力的なバスになっていくことを期待したいですね。 ●こんなバスが走っています フーちゃん号 運行業者 さくら交通(株) メーカー トヨタ 車両 15人乗り 排気量 2,980cc  運行路線 三川・今井・袋井駅線 フーちゃん号 運行業者 さくら交通(株) メーカー 日野 車両 26人乗り 排気量 5,300cc 運行路線 宇刈・袋井東・袋井駅線 メローバス 運行業者 スター観光(株) メーカー 日産ディーゼル 車両 42人乗り 排気量 6,920cc 運行路線 湊・田原・袋井駅線、中新田・笠原・袋井駅線 歴史文化館へ行ってきました  浅羽支所停留所でメローバスを降車し、支所2階と3階にある歴史文化館を訪ねました。  歴史文化館は、文化財の展示や保存などを目的とした施設で、郷土資料館・近藤記念館と並ぶ地域文化の核となっています。この日は、歴史文化館主任主査の白澤崇さんにお話を聞きました。 ●歴史文化館ができるまで 「歴史文化館は、昨年の11月13日にオープンしました。  文化財担当者の間では、長年、各地に点在する文化財や古文書を一か所に保存できる場所を探していました。その後、浅羽支所を含めた周辺施設の整備計画の中で、支所の2階の一部と3階を、歴史文化館として活用することが決まりました」  オープンから3月末までの来館者数は、2,000人にのぼるそうです。 ●巡回展と常設展示  現在、歴史文化館では、県中西部の全12市町の教育委員会が連携した「遠江歴史文化ネットワーク」による共催巡回展を開催しています(7月13日まで)。この展示では「袋井の昔ばなし」として、現地の写真と各地に伝わる昔ばなしをパネルで紹介。地図なども備えています。  常設展示「袋井の自然災害史展」では、パネルとともに命山の立体模型が展示されていますが、これは担当職員の手作りだそうです。 「東日本大震災以降は、自分の住む地域の、元の地形や歴史をもっと知りたいと来館される方が増えました。これからも歴史的事実をわかりやすくお伝えしていきたいです」と白澤さん。 ●袋井の文化を後世に  今後の文化財施設が目指す方向性は、大きく3つあると白澤さんはいいます。  1つは、次世代を担う子どもたちに文化を伝えていくこと。  地下水を汲み上げる手押しポンプを使った昭和の洗濯体験や、水車の原寸大レプリカを使った体験学習を予定しているそうです。  2つ目は、歴史サポーターの育成。  歴史文化館で開く「古文書講座」参加者の中でご縁のある方に、古文書の解明に携わっていただくこと。  そして最後に、地域の歴史調査関連団体との連携を深めること。それぞれの調査結果を共有したり、共同企画したものを展示していきたいと白澤さんは話してくれました。  自主運行バスで、ゆったりと歴史散歩に出かけるのもいいですね。  歴史文化館 開館時間 午前9時〜午後5時 (入館は4時30分まで) 住所  浅名1028番地 電話  0538ー23-9269 休館日 土・日曜日、祝祭日、年末年始(特別展示期間をのぞく) 入館料 無料 ちょこっと民話 〜笠原地区編〜 (「袋井に伝わる昔話」より)  笠原地区五十岡に「龍巣院」というお寺があり、寺の池に竜神がすんでいたといわれています。  山門には見事な竜の彫刻が掲げられ、この竜は毎夜、山門の彫刻から抜け出してたんぼや畑を荒らし、村の人を困らせていました。  これを見た住職は刀を持って行き、竜の彫刻に向かってお経を唱え、竜のお腹に刀を突き刺しました。その後、竜は彫刻から出なくなったそうです。 市民編集長がお伝えします Citizens'Eye 市民編集員のひとこと 今月21日に見られる金環日食。観察には日食グラスを使いましょう。 小関裕子、谷口史恵