P24-25 市民編集員がお伝えします Citizens'Eye ☆ミニクイズ  袋井市生まれで耕地整理の祖とは誰でしょう? @名倉太郎馬 A栄西禅師 B二宮尊徳 答えは24ページ 農とふれあう袋井の暮らし 土にふれ、野菜や花を育てる喜び。芝生の上をはだしで歩く心地よさ。 市の豊かな自然資源は、私たちの暮らしに潤いをもたらし、 五感を楽しませてくれます。 本紙8月1日号で紹介した、「農を活かしたまちづくり」施策の中で、 暮らしに身近な「市民農園」と「園庭芝生化」について紹介します。 「市民農園」ってどんなもの? 「市民農園」は、一般的に都市住民や農地を持たない方が、レクリエーションのひとつとして、30uほどの畑を利用して自家用の野菜や花を栽培するための農園のことをいいます。  こうした小さな畑を利用したい人が全国的にも増えていることから、現在では自治体や企業、個人など、多くの人が市民農園を開設できるようになっています。  市では「市民農園拡充事業」の一環で、市民農園開設にかかる事業費を補助するほか、開設希望者や利用希望者からの相談に応じたり、すでに開設されている市民農園についても、水道設置などの施設充実を行っています。 耕作放棄地解消にも一役  また、後継者不足などから耕作できなくなった農地、いわゆる耕作放棄地が年々増加傾向にあり、現在、市にはこうした耕作放棄地が、田・畑合わせて170.1ha(平成23年度現在)あるといいます。  市民農園は今後、そのような農地の再生利用としても効果が期待されています。●どうやって利用するの?   市民農園について、農政課で農業経営指導に携わる堀之内征一郎マネジャーにお話を聞きました。 市に登録がある市民農園は、市営(袋井市民農園・高齢者いきいき農園)と民営(8園)の10箇所あります。  袋井市民農園の場合、1区画30uの年間使用料5千円を支払い、肥料や栽培に関する指導を受けて利用することができます。 「皆さんの生きがいづくりのお手伝いができれば」と指導を担当する堀之内さん。  11月中旬には、市民農園内で収穫された農産物の品評会が行われ、表彰式や講評を受けるなど、楽しみもあります。  畑ではほかの利用者とも顔を合わせることから、新たなつながりも広がるそうです。  詳しくは市のホームページをご覧になるか、担当の窓口へお問い合わせください。 問農政課農地利用係(袋井市民農園)  TEL44─3167 ◇利用者募集中! 問いきいき長寿課 長寿福祉係(高齢者いきいき農園) TEL44─3121 ●市民農園の利用者に聞きました 野菜づくりを始めたきっかけ  市民農園を借りて8年目になるという市川ニ二生さんは、もともと市の自主運行バス「フーちゃん号」の運転手をしていたそうです。仕事を退職し、家庭菜園をしていたところ、場所が手ぜまになり、「広報ふくろい」で知った市民農園に応募して利用を始めました。  当初はスギナがはびこっていたため、手間をかけてきれいな状態にし、そこから種まきを始めたそうです。 栽培や収穫の喜び  市川さんの区画には、里イモや落花生、ナスなど色々な野菜が栽培されています。 「植物は生き物。愛情をかければかけるほど応えてくれます」と市川さん。  栽培方法を本で読んだり、利用者同士で情報交換をしながら、日々腕を磨いているそうです。  また、楽しみのひとつでもあるのが秋の品評会。以前は、市から提供されるダイコンやハクサイの種でできたもの、と決まりがありましたが、現在では利用者が自由に決められるようになりました。  「完全無農薬」を貫くのも市川さんのこだわりです。雨が降る日も必ず畑に行き、小石などを取り除く作業を欠かさないそうです。 とうもんを知っていますか? とうもんとは、 「田面(たおも)」に由来する言葉で、遠州地方では、広大な 水田のことを表します。 見渡す限り広がる「とうもん」は 遠州人の「原風景」となっています。 「自然にはだしで遊ぶようになった」 のびのび園庭グリーン事業のその後  5年間で市内すべての公立幼稚園・保育所の園庭を芝生化する「のびのび園庭グリーン事業」は、平成22年に始まり、毎年3園ずつ実施されています。初年度に園庭を芝生化した3園のひとつ、若葉幼稚園では、当時年少だった子どもたちが年長になりました。  園庭が芝生になってから、園児は気持ちがいいのではだしになり、元気に遊んでいるそうです。 「園児と保護者、地域の皆さんと一緒に、園庭に穴をあける作業から始まり、ポットで育てた苗を植え、NPO法人とともに芝生の生長を見守ってきました。多くの方のご支援をありがたく思っています」と久保田園長。  日常の管理は、職員と保護者で行っています。心配していた水やりも、スプリンクラーが設置されることで解消されました。芝刈りは思ったより必要なく、雑草も芝と一緒に刈り取っているとか。園庭はあくまで遊び場なので、少しの雑草があってもそれなりに自然な感じのままにしているそうです。  「朝の登園時、緑の芝と青空のコントラストがさわやかで素敵です。子どもたちにも『きれいね』と声を掛けます。  先日も雨の後には鳥が芝生に来て一斉に虫をついばんでいましたよ。土にはない足の裏の刺激、感触や気持ちよさ、それ以上のものを、子どもたちなりに感じていると思います」  一方で、3年目の今も気になることは、芝の中に石やガラスが落ちていないかどうかということ。「子どもたちは、自分から石拾いをしてくれています。自分たちの環境は自分たちでつくるという気持ちが根付き、成長の糧となっています」  園では、土にふれる機会も大切にしています。築山部分は土のまま残したり、地域の方に指導をいただきながら畑で野菜を育てたりしているそうです。 「子どもたちが大きくなった時、芝生の園庭のことを思い出してくれれば、こんなにうれしいことはありません」 ☆小学校での校庭芝生化は、事業としては行われていませんが、独自に校庭の一部を芝生化し、体育の準備運動などに活用している学校もありますよ。 ちょこっと民話 〜三川地区編〜 (「袋井に伝わる昔話」より)  三川地区川会、一宮川と敷地川の西側に曹洞宗医王山建福寺があります。境内には、妻薬師という縁談祈願に不思議なご利益があるお薬師様があります。 「お薬師様の枕を借りてお願いし、良縁に恵まれた時には、紅白の枕をお礼にお返しする」そうで、お堂の中には、お礼参りに来たと思われる紅白の枕がたくさん奉納されています。  縁結びにご利益があるという事で、お薬師様には今なお、遠くからの参拝客が絶えないそうです。 県では結婚・子宝にまつわる場所・人・もの・風習などを『エンゼルパワースポット』として募集しました(募集は終了)。建福寺の妻薬師も、県のホームページの募集結果一覧に掲載されています。 ミニクイズの答え 正解は@名倉太郎馬 市民編集員のひとこと 芝生にラインを引くラインパウダーは、卵の殻が原料。 人にも自然にも優しいね。 小関裕子、谷口史恵